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コラム

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SPECIAL:航空法改正③操縦ライセンス制度

SPECIAL:航空法改正③操縦ライセンス制度

 

 2022年12月に新たな航空法がスタートする。大きな目的は2023年3月までに「レベル4飛行の実現」をすることだが、今回の改正ではライセンス制度や機体認証制度など新しい制度により構成される規模の大きい改正なので、無人航空機に関する航空法を一から学び直すほどの情報量がある。そこで下記のように5回に分けてその概要を解説する。今回は操縦ライセンス制度について。

 

①改正航空法の全体像    →(5月11日付け掲載)
②機体認証制度       →(5月18日付け掲載)
③操縦ライセンス制度    →(今回)
④運行管理要件(運航ルール)
⑤運行管理システム


 「操縦ライセンス制度」は無人航空機を一定以上の高リスクな飛行をさせるために必要な知識と能力を有することを国が証明する制度。いわば国家資格になる。
 操縦ライセンスは「一等」と「二等」に区分され、下の図のように適用される。有効期間はいずれも3年。この等級は機体認証制度の第一種、第二種とリンクしそうに見えるが、関連は無い。
 一等と二等の違いはレベル4に相当する飛行の可否だ。第三者上空の目視外飛行を補助者無しで行うという最もリスクの高い飛行をするためには一等ライセンスが必要ということになる。無人航空機という画期的な技術を社会実装するためにはこのハードルをクリアしなければならない。

 

 検定試験スキームは下の図の様になる。技能証明の試験は国が指定する「指定試験機関」が行う。また国の登録を受けた講習機関(登録講習機関)の講習を修了した者は実地試験免除という優遇措置を受けることができる。すでに民間の技術証明所持者(経験者等)の優遇については7月までに講習要件を策定することになっている。

 

 指定試験機関は全国が公平になるため一法人が受持ち、全国で統一した試験内容で実施される。試験合格の資格は2年間有効。
 登録講習機関は民間のスクール約1200校の中から要件を満たすものを登録する。ここでの講習は改正航空法に準ずる技能と知識の基準に基づくカリキュラムが設定され、その習得を確認した者を修了者とする。

 登録講習機関の登録基準、指定試験機関の試験内容などはいずれも7月までに策定される予定。その決定に伴って先に二等ライセンス取得の推進が始まる見込み。一等ライセンスは12月に予定される改正航空法の施行後に準備が始まる。


 上の図は冒頭のものと似ているがこちらは飛行内容を主としている。一等ライセンスの目的はレベル4の活用を実現するために存在すると言って良い。同時に二等ライセンスは該当するケースが多く考えられ、これらの許可承認の手続きを簡略化してさらに普及させ、市場を拡大する狙いがある。

 この制度を簡単にまとめると、以下の様になる。


●一等ライセンスが無いと不可能な飛行方法がある。→第三者上空補助者無し目視外飛行
●二等ライセンスは取得した方が便利。      →飛行申請等の手続きが不要または簡略化
●ライセンスが無くても飛行は可能。       →飛行内容により飛行ごとの申請が必要

 

 つまり、必ずしもライセンスは必須では無い。しかし実質的に事業として無人航空機を運用する人などにとっては二等ライセンスは必須になると言える。
 仕事となると許可・承認の手続きが必要になることが多いからだ。この手間を省くことは依頼者にとってもありがたいし、仕事の効率化もそうだが社会的信用という側面からも大きなポイントになる。

 二等ライセンスを取得する人は7月の基準策定に注目し、登録講習機関を利用するなどの作戦を早めにたてるようお勧めする。一等ライセンスは12月以降になるので詳細決定までは慌てる必要はない。

 ※文中の名称、呼称などは正式交付の際に変わることがある。


次回は「運行管理要件」です。

 

横濱 和彦 Kazuhiko Yokohama
1951年生まれ 2012年 空撮チームairvision 立ち上げ映画、TVCM、PR動画、MVなどの撮影をする。MVなどの撮影をする。アマナドローンスクール校長として座学講習や責任者も兼ねる。
【代表作】・JR東日本、JR東海 CM・ヤクルト CM・トヨタ、レクサス PV・レッドブル MV
■実績 総飛行時間:543時間 夜間飛行時間:35時間 目視外飛行時間:25時間
■資格 DJIインストラクター、JUIDA無人航空機操縦技能ライセンス、JUIDA無人航空機安全運航管理者ライセンス、JUIDA認定スクール講師ライセンス、第三級陸上特殊無線技士