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コラム

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国家資格受講INTERVIEW5:F3Cラジコンヘリ世界チャンピオン伊藤寛規様

F3Cラジコンヘリ世界チャンピオン 伊藤寛規 様(33)奈良県

 

受講コース:国家資格一等無人航空機操縦士資格 経験者 基本+夜間・目視外講習

 

弊社のairWorkドローンプロフェッショナルズのメンバーでもある伊藤寛規さんは、2005年にF3C*ラジコンヘリ世界選手権で史上最年少で優勝し、その後の4連覇がギネス世界記録として認定された、日本を代表するトップパイロットです。また同時に産業用ドローン(特に文化財調査の記録保存に伴う写真測量、レーザー測量)のスペシャリストとしても活躍中です。
*「F3C」とは、ラジコンヘリコプターを使った競技のことで、国際航空連盟(FAI)が主催している航空スポーツの一つです。

 

Q:2001年度F3C日本選手権に初出場し、日本選手権は2005年から15連覇中。(2007年は悪天候により中止、2020,2021年はCovid19の影響により中止)F3C世界選手権では2005年度スペイン大会で史上最年少で優勝してから2011年イタリア大会までの4連覇がギネス世界記録に認定されるという、輝かしい実績をお持ちですね。
A:7歳の時に父の影響で始めたのですが、早いうちから経験を積めたのが良かったと思います。

 

Q:伊藤さんにとってラジコンヘリの魅力はなんですか?
A:一言でいえば操縦する事が楽しい!です。もともと趣味で始めたものですしそこにはコントロールする難しさ、上達する大変さなどはありますがそれらを乗り越えてうまくいったときのやりがいや楽しさに魅せられていると思います。

 

Q:産業向けラジコンヘリとドローンの違いは?
A:形状が異なるので別物と思う人もいるようですが、基本の操縦テクニックに関して言えばあまり違いはないんですよ。10㎏程度の重量物ならドローンに比べ、エンジンタイプのヘリコプターの方が飛行時間など優位かと思います。

 

Q:最近は3Dフライトにも活躍の場を広げていると伺いました。
A:F3Cの選手権は、どちらかといえば華麗にスマートに操縦するテクニックを追求するものですが、アクロバティックな飛行を中心とした3Dフライトはそれとはまた違った魅力があります。

 

Q:それらで培った技術を活かしながら、有限会社ウイング、株式会社アクセスのパイロットとしてビジネス分野でも活躍されているのですね。
A:ラジコンメーカーで無線機器開発やテストパイロットを務め、その後、U A V開発会社ではドローンの設計・開発など組み立てから飛行調整までやりました。そこでの経験や知識が蓄えられ、ラジコン航空機全般にわたる業務に活かされてると思います。

 

Q:マルチコプター、シングルローター、固定翼など全てのU A Vの操縦をこなす技術も世界レベルと聞いています。最近はどのような仕事が多いですか?
A:元々が遺跡の測量で図化用の撮影からスタートしたこともあり、レーザー測量のオペレーターの仕事は多いですね。先日もオペレーターとして取引先のお手伝いで(取引先の所有物のため)米国Freefly Systems社の産業用ドローンAlta Xにグリーンレーザーを積んで水中の測量をしました。あとは橋梁のひび割れなどの点検系の仕事も増えています。また、ご依頼主様の機材を飛行させるオペレーションのみの依頼を受けることも数多くあります。

 

Q:現在の主な使用機体は?
A:さまざまな機体を操縦しますが、ビジネスではDJI Matrice300やラジコンヘリをベースにカスタマイズしたものが多いです。社内におきましてはDJI社製品(ほぼ全機種)や、ラジコンヘリコプターをベースにカスタマイズしたものが多いです。


Q:今回、一等無人航空機操縦士資格を取得しようと思った理由は?
A:やりたい仕事が、一等の資格保持者であることが条件だったというのが直接のきっかけです。また、取引先に与える安心や信用を高めるものなので、ビジネスをする上では必須なライセンスでしょう。今はとても注目されている資格ですから、持っていること自体に価値があると思います。特に一等はまだ資格保持者が少ないですから。

 

Q:講習はいかがでしたか?実技は100点満点だったと聞きました。担当した講師もさすが伊藤さんだと感心していたようですが。
A:技術面で自分が特に難しいと感じたのは、スクエアの演技で奥行きを合わせていくところでした。講師の方から、どうすれば減点されてこの場合は減点されないなど、的確な指示を頂けたうえで練習を重ねて、うまくできたと感じています。8の字やピルエットはRCヘリコプターの競技会などで養われた技術を活かすことができたため、より減点されないことに注意を払うことができました。たくさん練習できたことで試験時のフライト内容をより確実なものにできたと思います。短期間で10時間の飛行というノルマ達成は体力、集中力共にハードなものでしたが短期集中で取得出来るメリットは大きいです。


Q:資格取得を目指している人、取得しようか迷っている人に一言アドバイスをください。
A:特に業務でドローンを活用していて取得を迷われている方には取得を勧めたいと思います。一定以上の操縦技術がないと特に1等は取得できないため、仕事をさせる側から見たら安心出来る要素の裏付けとなるのではないかと思います。

受講する上では操縦技術も必要ですが、それ以外にも飛行前・着陸前の安全確認や重大インシデントなどを覚える必要があります。飛行練習していないときも覚える必要のある項目を見直すなどをすると、減点を受けにくいのではないかと思います。安全確認を口頭で言うなど、日常的にドローン操縦に関わっているベテランの人ほど忘れがちですから、そういう基本をしっかり学ぶようにするといいと思います。それから、一等はなんと言っても体力と集中力が重要です。

 

Q:今年の予定、目指すことを教えてください。
A:まず、今年8月に米国インディアナ州でFAI F3C世界選手権が開催されるので、そこを目標にして準備をしています。
もう一つは、自分がこれまで習得してきた技術や知識などを多くの人に伝えていきたいと思っていて、今後はスクールなどで指導することにも取り組んでいきたいと思っています。

 

Q:ビジネスでの目標は?
A:UAVは技術進歩による機材の入れ替えが激しくそれに伴い新しい利用法も出てきている世界です。常にアンテナを立てて次に流行るものや活用法を見つけ、業務に活かしていけるようにしたいです。例えば、点検でも現場によって条件が異なりますから、様々な機材を用意して最適な提案ができるようにしていきます。

 


◾️airWorkドローンプロフェッショナルズ伊藤さんのページ

https://awp.adstokyo.com/hiroki_ito/

◾️株式会社アクセス 伊藤さんの紹介ページ

https://accessofficial.wixsite.com/website/%E8%A4%87%E8%A3%BD-%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%81%AErc%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF