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コラム

Column

EPISODE19: ビジネスマネージメントその4=プロモーション

プロの空撮エピソードから学ぶ
 2011年に株式会社アマナでプロの空撮チーム「airvision」を立ち上げた横濱校長が、機体の開発からCMの撮影まで10年に亘る長い経験の中から全てのドローン運用者に向けたアドバイスをシリーズでお届けします。今回のテーマは「ビジネスマネージメントその4=プロモーション」です。

 

 どんなに良い商品でも宣伝して売り込まないと売れません。ドローン空撮という商品も同じ。特に10年前のドローン空撮は既存の市場が無い提案型の商品だったので、なかなか売れない日々が続きました。私はこの「売り込み」が苦手なので、あまり偉そうなことは言えませんが、苦手なだけにその必要性を痛切に感じてきましたので、反省をこめてお話しします。

 

 

 現在は「ドローン空撮」がどんなものか広く知られています。テレビでも旅番組の風景シーンからレーシングドローンのFPVシーンまでさまざまに放送されていますね。従って基本的な説明は不要になりましたが、人によってイメージするシーンが多様になってきました。「ドローン空撮ができる」と言ってもすべてができるわけではないので、そこの説明は大事です。

 

[まずデモリールを作ろう]
 百聞は一見にしかず。とにかく自分ができる撮影を具体的に見せましょう。少しでもキャリアがあるならそれをネタにできますが、最初はデモリールのための撮影をすることになります。手っ取り早いのは風景撮影。海岸線などの水辺のシーンは基本中の基本になっていますね。協力してくれる人がいたらモデルや車の走行シーンなどを織り交ぜるとグッとランクアップします。

 大事なのは編集です。自分でやるならアドビのプレミアプロなどパソコン上で完結する編集システムを使いましょう。ちょっとした出費と使いこなす勉強が必要ですが、これからドローン撮影のプロとしてやっていくわけですから、このくらいは頑張らないといけません。
 ひとつだけ編集のコツですが、ひとつのシーン(カット)を長々と見せないこと。これは気をつけましょう。自分が撮影したシーンはそれぞれに思い入れがあるので、ついついじっくり見せたくなりますが、自慢げにだらだら見せられる方はたまったもんじゃありません。子供の運動会のVTRと同じです。一つのカットは最長6秒までというのを基本にしましょう。どうしてもシーンの全てを見せたい時は早送りにするなどの「飽きさせない工夫」が必要です。
 さらに、BGMも大事。BGMのリズムに合わせてカットを切り替えるとテンポの良い動画が表現できます。ストーリーの無いデモリールは全体の尺も短くします。1分程度にまとめましょう。
 デモリールの出来は売り込み効果を左右します。自分ですぐにはできないという場合は編集を誰かに依頼してでも良いものを作りましょう。場合によってはお金を掛けて監督や編集などの制作を依頼しても良いと思います。そのくらい大切なものです。

 

[次はホームページ]
 ネタができたら、最初は広範囲にブロモーションすべきですね。仕事の量や内容をコントロールするようになったらプロモーションを変えることになりますが、まずは広く認知してもらいましょう。
 今はネットの力を利用するのが一般的。デモリールや自分のプロフィールなどは、ネット上で簡単に見られるようにホームページを作ります。SNSなどでに投稿するのもありですが、ネット上に十分な情報を得るために誘導するホームサイトが無いと効果が半減します。

 

[それからSNSなどで公開]
 ホームページができたら、さらにYouTubeなどで動画を見せるのも良いでしょう。でも撮りっぱなしのカットをただ流すのは逆効果になります。特に風景の空撮動画はネット上に腐るほどあります。プロを目指すなら、間違っても「運動会のVTR」にはならないように気をつけてください。
 YouTubeやVimeoは世界中の人が見ています。注目を浴びるにはインパクトが大事。そのための撮影テーマをしっかり決めて勝負をかけられる作品を作りましょう。

 

[マッチングサイトに登録]
 専門技術のマッチングサイトがTVCMに出るようになっています。自分の才能をスポットでも幅広く販売する時代になりました。ドローン空撮の仕事専用のサイトもでてきましたね。このようなところを利用することも良いでしょう。ただし登録料、掲載料、成功報酬などの取決めはしっかり確認してからね。

 

 

横濱 和彦 Kazuhiko Yokohama
1951年生まれ 2012年 空撮チームairvision 立ち上げ映画、TVCM、PR動画、MVなどの撮影をする。MVなどの撮影をする。アマナドローンスクール校長として座学講習や責任者も兼ねる。
【代表作】・JR東日本、JR東海 CM・ヤクルト CM・トヨタ、レクサス PV・レッドブル MV
■実績 総飛行時間:543時間 夜間飛行時間:35時間 目視外飛行時間:25時間
■資格 DJIインストラクター、JUIDA無人航空機操縦技能ライセンス、JUIDA無人航空機安全運航管理者ライセンス、JUIDA認定スクール講師ライセンス、第三級陸上特殊無線技士