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コラム

Column

SPECIAL:校長先生の一等実地試験体験記

みなさん! 一等実地試験は大変難しいですよ! 笑

 

airWorkドローンアカデミーの校長自ら当校の一等無人航空機操縦者技能証明講習にお試し参加してみました。検定試験の結果は不合格。その言い訳と難しさをご報告します。

 

JUIDAの操縦技能ライセンス取得コースでも、経験の少ない方にはかなりきつい練習と実地試験ですが、それでも判定試験は屋内という風のない環境でできますから、二日間がんばればなんとかなりますね。それに二日間のカリキュラムの趣旨は「訓練」です。講師も「指導」に力を入れて経験値を上げることに努力します。

 

しかし、国家資格の実地試験はまったく違います。こちらの二日間はあくまで「審査」です。しかも審査の基準は厳しい国家基準となっています。特に一等の実地試験は屋外でのAttiモードです。

 

まず私のプロフィールですが、年齢は71歳。還暦を迎えた2011年からマルチコプターを飛ばし始めて2017年頃までCMを中心に空撮の仕事をしてきました。飛ばした機体は直径1m20cmという大きな8発機。これに大きなシネマカメラを載せて、離陸重量は16kgにもなりました。Aモードはもちろん実務でも経験を積んでいたので、Aモードで実地試験があったDJIインストラクターにも一発合格しました。

 

          大型機を持つ私(右)と小林先生

 

おかげさまでスクール事業が忙しくなると同時に空撮の現場とは離れ、2018年には講師業が中心となります。以来、ほとんど飛ばすことをやめました。今年の1月に国家資格の講師講習があり、そこで4、5年ぶりに、初めての小型機Mavicを飛ばしましたが、スティックが短いのにびっくり。昔、長くてバネの弱いスティックをつまんで操作していた私には大いに違和感があります。

 

さて、前置きが長くなりましたが、一等無人航空機操縦者技能証明の実地審査は屋外という規定があります。つまりは少なからず風のある環境でAモードで決められたコースを飛行させます。3m/s程度の風がフッと来ただけでもMavicのような小型機は敏感に反応します。

 

試験は口述試験、机上試験、実地試験を一連で実施し、100点の持ち点でミスがあるごとに減点する方法です。減点は20点までが合格ラインです。口述では審査官から口頭試問を受け、机上では飛行前に点検記録、飛行後に飛行記録を記入します。この範囲でも記入漏れひとつで10点も減ってしまいます。

 

実地試験はスクエア飛行、ピルエット、8の字飛行の三種類。これを連続で行います。私は一度ならず数回もミスタッチしてしまいました。私のようにブランクの長い高齢者になると、いくら経験があっても咄嗟に反応するのはミスタッチになりがち。頭では解っていても、指の反応がいうことを聞きません。一瞬のミスでコースを外れて不合格ゾーンに入るとその時点で失格となります。

 

二等無人航空機操縦者の審査は屋内でも良いとされ、しかもPモードでの演技となります。これは大きな差ですね。風のある屋外でAモードというのはかなりの経験者でも苦労することになります。さらに試験の時に風が弱くなる人もいれば、一瞬の風で慌ててしまう人もいて、これは不運というしかありませんね。

 

私が皆様にお伝えしたいのは、


⚫︎登録講習機関における国家資格の講習は「訓練」ではなくあくまで「審査」であるということ。
 合格に向けた手引きはしてくれません。


⚫︎屋外における小型機のAモード飛行はよほど訓練しないとハードルが高いということ。

 

…ということです。

 

 私も軽い気持ちで試験に臨んだことを後悔しています。しばらく練習して、短くて硬い小型機のスティックを親指で操作することに慣れようと思います。あきらめませんよ! 笑

 

 

横濱 和彦 Kazuhiko Yokohama
1951年生まれ 2012年 空撮チームairvision 立ち上げ映画、TVCM、PR動画、MVなどの撮影をする。MVなどの撮影をする。アマナドローンスクール校長として座学講習や責任者も兼ねる。
【代表作】・JR東日本、JR東海 CM・ヤクルト CM・トヨタ、レクサス PV・レッドブル MV
■実績 総飛行時間:543時間 夜間飛行時間:35時間 目視外飛行時間:25時間
■資格 DJIインストラクター、JUIDA無人航空機操縦技能ライセンス、JUIDA無人航空機安全運航管理者ライセンス、JUIDA認定スクール講師ライセンス、第三級陸上特殊無線技士