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コラム

Column

SPECIAL: ドローンの購入から飛行までの手続き

6月20日に機体登録制度がスタートしました。これにより航空法の無人航空機の対象となる100gを超える機体はすべて登録しなければ飛行できなくなりました。
これまでの飛行許可承認申請制度と併せて、機体購入から飛行までにやるべき手続きが増えましたので、「買ってすぐに一回飛ばす」ということもできません。
そこで、これからドローンの購入を予定している方や、所有の機体をこれから登録しようという方に向けて簡単なガイダンスと注意点をまとめます。

 

まず、機体登録から飛行許可承認申請、飛行情報登録まで一連の流れを確認しましょう。100g以上の無人航空機を飛行するためには次の図のような手続きが必要になります。

 

 

レンタルでも飛行可能


レンタル機は所有するレンタル会社が機体登録を済ませてあります。従ってレンタル機を使用すれば機体登録の手間は省けます。
飛行許可承認が必要な飛行についてはレンタルでも使用する者が申請します。申請の際の登録記号にレンタル会社の登録記号を書き込めばOKです。

 

レンタル機で包括申請可能?


包括申請とは日本全国(あるいは特定の場所)で最長一年間まで、まとめて飛行許可をもらうことですが、申請内容に記載した機体を使用することが条件となるため、レンタル機ではその点で困難になります。
レンタル業者の協力を得られれば、その会社所有の同一機種の機体全ての登録番号や写真などを入手して申請時に記載することも可能かもしれません。
なお、包括申請で許可されるのは飛行規制の中の一部のみになり、包括では許可されない規制がありますのでご注意ください。
レンタル会社によって対応が異なることもありますので、詳細を直接確認してください。

 

手続きの時間はどのくらいかかる?


機体登録の手続きはDIPSの「ドローン登録システム」を利用します。入力情報の準備が整っていればそれほど時間はかかりません。
ただ、国土交通省の審査待ちに数日を要することがあるようです。この時間は申請の混み具合で変わり、一般的な量産品でも11日間待ったという事例もあります。

飛行許可承認の手続きもDIPSからオンライン申請します。こちらは申請後に審査のために最短で国土交通省の10営業日、つまり2週間以上の時間が掛かります。
こちらも混み具合では数週間になることもあります。

 

このようなことから全体では最短でも3週間程度、混んでいる場合は1ヶ月以上掛かりますので、余裕を持って計画されることをお勧めします。
特に初めての場合は機体登録(DIPS)、飛行許可承認申請(DIPS)、飛行計画の登録(FISS)それぞれのサイトごとにアカウントの設定が必要です。また入力内容の不備などで差し戻されることもありますのでご留意ください。


機体登録手続きの概略と注意点
機体登録はまだ始まって間も無い制度ですので、少し詳しく説明します。
今年の4月から6月19日までの事前登録によってリモートIDの搭載が免除される特典があったため、期限間際まで申請が混み合ったようです。そのため4週間ほどかかったという事例も出ています。
手続きの一連の流れを事前に理解して、準備を整えることがスムースな登録につながります。
作業のフローは次の図のようになっています。

 


登録作業はDIPSのドローン登録システム(https://www.dips-reg.mlit.go.jp/drs/top/init)です。
初めての方はまず「無人航空機登録ポータルサイト」(https://www.mlit.go.jp/koku/drone/)からアクセスしていきましょう。こちらには概要の説明やガイドブック、Q&A集などが用意されています。準備のために大変役立ちますのでお勧めします。

 


注意点① 必要なものをあらかじめ準備しましょう
例えば本人確認のために運転免許証やマイナンバーカードが必要です。さらに別の顔写真が必要になることもあります。
マイナンバーカードを使用する場合は当然パスワードが必要ですから、これも確認しておきましょう。3回間違えるとロックが掛かり、解除には役所に行くことなります。
機体情報についても同じです。正式な機種名、シリアルナンバーなどを確認し、あらかじめ書き出すなどの用意します。

 

注意点② このアカウントは機体登録専用です
DIPSのアカウントをお持ちの方も登録にはあらためて登録用のアカウント開設が必要です。

 

注意点③ 複数の機体を登録するときは一回の申請にまとめます
登録は有料で、複数の機体をまとめると割り引きになりますが、申請を分けてしまうと割り引きを受けられなくなります。

 

注意点④ 法人・個人事業者はgBizIDを利用できますが…
ドローン登録システムを含むDIPSはgBizIDで申請手続きが可能です。gBizIDには「エントリー」「メンバー」「プライム」の三種があり、DIPSでの利用には「プライム」が必要です。
今後の飛行許可承認申請のためにも利用をお勧めしますが、gBizID取得にはそれなりに手間と時間が掛かります。デジタル庁のgBizIDホームページ(https://gbiz-id.go.jp/)でご確認ください。

 

注意点⑤ ネット環境、メール受信設定を確認しましょう
登録作業の途中でメールによる通知が数回届きます。その内容から次のステップに進むことから、メール受信にトラブルがあると作業が滞ります。迷惑メールのフィルターなど設定を確認してください。またブラウザーはChromeかSafariを使用します。IEは使用できません。
また作業中に画面上では「処理中」が表示されて進まなくなることがあります。その場合、説明なくメールで指示が届いているかもしれません。メール内のURLをクリックすると先に進むという仕組みです。待ち時間が長いと感じたらメール着信を確認してください。

 

繰り返しますが、初めての方はまず「無人航空機登録ポータルサイト」(https://www.mlit.go.jp/koku/drone/)からアクセスしていきましょう。こちらには概要の説明やガイドブック、Q&A集などが用意されています。一通り目を通すことで準備のために大変役立ちますのでお勧めします。


以上の内容は2022年7月現在のものです。